「Pageflakes」の一件から考えるRSSの効果測定 その課題と現状
TechCrunch に「Pageflakesで何やらおかしなことが起こりつつある」という記事が掲載されていました。
「Pageflakes」、いきなり数百万の購読者増?
「Pageflakes」は、様々な情報やツールを集約して、自分のスタートページを作れるサービスで、使い勝手や機能性を高めたMyYahooのようなものです。その機能の一つにRSSリーダーが用意されています。
これを使ってRSSを読む購読者の数が、一部で異常に増加した(数百万の単位で!)というのが、TechCrunchの記事の内容です。ちなみにこの出来事は、米国のフィード管理ツール「Feedburner」を使って計測されたとのこと。
さすがに突然数百万人がそのサービスを経由してRSS購読し始めるというのは現実的な推定ではないですので、これは実際の購読者の数値とは異なると判断して問題ないでしょう。
「MyYahoo!」を使っている購読者が少ない?
計測される購読者の数値が実際の数値と異なるのではないかと思われる例はほかにもあります。
MyYahoo!を使ってRSSフィードを購読していてもレポート上で購読者が増加しないというのがそれです。
これは弊社でも確認していますが、実際にMyYahoo!を使って購読していてもその数値が増えないことがあります。
また米Feedburnerのサポートフォーラムでも「僕のブログには毎月MyYahoo!をリファラーに持つ数千のアクセスがあるのに、Feedburnerのレポート上ではMyYahoo!で読んでる購読者がゼロってことになっている。それっておかしくない?」という報告がされているようです。(参考「Low stats, My Yahoo! missing」)
RSSの内容をキャッシュする「WEB型」リーダーの購読者測定
こうしたRSSアクセス解析の数値がブレやすいことの理由のひとつに、RSSの内容をキャッシュする「WEB型」リーダーの存在があります。
「Pageflakes」や「MyYahoo」などのいわゆる「WEB型」のRSSリーダーでは、RSSへのアクセスはバックグラウンドで動くサーバーによって行われ、RSSの内容はリーダー側にキャッシュされて購読者に閲覧されることが多くなります。
この場合、どれだけ購読者がいようとも、RSSへのユニークアクセスはサーバーのものだけとなります。
そうしたRSSリーダーは、アクセスログに次のようなユーザーエージェントを残しますので、このログからユーザーエージェントごとに「x subscribers」や「x users」などと書かれた数値を抽出して「購読者」の数値に加味する、というのが一般的な効果測定手法です。
Pageflakes/1.0 (WinNT 5.1.2600.0; http://www.pageflakes.com; 8 subscribers )
この手法の弱点にあたるのが、冒頭に挙げた二つの例なのです。
WEB型のRSSリーダー側から送られる数値が、なんらかの理由で過大であったり過少であったりしても、この手法で測定している限りRSS配信側では正しい数字を取得する術がないのです。(※注1)
このあたりの事情は、あくまでも「アクセス」の数からユニークユーザー数を推定することのできるWEBの効果測定と異なるところです。
RSSの特徴でもあり、ネガティブな側面でもあり、、。
「コンテンツの閲覧・利用方法を受け取り手に強制しない」というRSSの特徴は、上に挙げたような点では効果測定の難しさというネガティブな側面も持っています。
フィードフォースの社内では、RSSが持つ「家電やそのほかPC以外の機器へのコンテンツ配信を容易にする」という側面には大変期待していますが、例えば仮にそうした利用が進んだ場合は、効果測定の手法や尺度はさらに変化を余儀なくされるでしょう。
RSSの効果測定については、現状では、起きる事象に都度対処して精度を磨き上げていく以外にない状況にあると言わざるを得ません。
私たちは幸いにもお客様にも恵まれ、国内の法人・大手ECサイト等のRSS配信の事例やデータをお客様と積み上げていける状況にもなってきました。「RSSの効果」をどう捉えるべきかという事について、より一層積極的に情報を発信していく責任があると考え、それを担う一社員として奮起して2007年を迎えたいと思います。
※注1 この問題を回避するために、RSSの各アイテムにWEBビーコンを埋め込んでそのユニークアクセスを集計するという手法がとられることもありますが、MyYahoo!をはじめとして、記事内の画像を表示しないRSSリーダーも多いため、これも正確とは言い難い状況にあります。
この方法で計測できる数字を「アイテムの閲覧数」と考え、「画像が表示されない≒正しく閲覧されていない」と考えるという考え方もありますが、やはりポータル型やティッカー型、概要のみしか表示しないリーダーの存在などを考えると、現時点では「コンテンツの閲覧・利用方法を受け取り手に強制しない」というRSSの特性をふまえた効果測定手法ではないように思います。








