2005年12月14日 09:37

ウォールストリートジャーナルのネット戦略【Syndicate SFレポート】

13日午後の基調講演は、ダウジョーンズの電子出版部門のビジネスデベロップメント&マーケティングのトップ、ジェシカ・ペリー。この基調講演は興味があったのです。ダウジョーンズはあの「ウォールストリートジャーナル」を持っている出版社だからです。前回のSyndicateではニューヨークタイムズのデジタル部門のトップがウォールストリートジャーナルより色々と先進的なことをやっているような感じのことを話していましたし。部数・知名度共に勝っているウォールストリートジャーナルがいよいよ登場と言うことで注目の講演となりました。

ダウジョーンズのビジネス・マーケティングを全般的に話してくれたのでポイント毎にまとめます。


■出版のビジネスモデルにおいて多様化が重要

何がKINGか?

- content / コンテンツ
- distributor / 流通
- aggregator / アグリゲーター(収集&配信)
- consumer / 消費者


理想の収益モデルは?

- subscription / 有料購読
- advertising / 広告
- licensing / ライセンス


これが決め手と言うのはない。多様化が重要。
複数の顧客ベースに業界トップクラスの製品を違う価格帯で提供する


■ウォールストリートジャーナル・オンラインについて
「The Wall Street Journal Online」の有料購読者数は764,000部でオンライン新聞で圧倒的トップ。全ての新聞媒体でも5番目。紙版は2番目で200万部。1位は大衆紙のUSA Todayで230万部。3位はニューヨークタイムズで113万部。4位はLAタイムズで84万部。


■データとリサーチがオペレーションの中心

□マーケティング
- Acquisition / 獲得
- Retention / 維持
- ROI


製品の差別化と価格戦略が極めて重要


□差別化要素

- Brand Positioning/USP - ブランドポジショニング/売りとなるポイント
- Ad Campaign - 広告キャンペーン
- Brand Character - ブランドのキャラクター
- Key Support Features - 特徴となる内容


■The Syndication Cane
シンディケーションを理解するのは、、「悟り」の境地と一緒である?!


「生まれる前の顔は何だった?」
「リンクされていないウェブサイトはウェブサイトではない」


同じことかもしれない。


■シンディケーション技術が促進するもの

- ライセンス費
- トラフィック
- 口コミ


■RSSフィード型の広告
最新ニュースを表示することで興味をひける。コンバージョンも高い。


■ブログの活用
ブログは


1. Technies / 技術おたく(って言い方悪い?)
2. Newsies / ニュースマニア(何と言うべき?)
3. インフルエンサー


によって書かれており、読まれている。それを念頭に考えている。わざわざインフルエンサーのブロガーに見出し記事のリンクをまとめて送るような実験もやったが、不評だったりもする。色々と模索中。


※ちなみに・・・ウォールストリートジャーナル・オンラインの記事は登録しないと読めなかったり多くの記事は有料なので他の新聞社の記事などに比べるとアクセスしにくいサイトではあります。


■「ブロガーはコバンザメ?」
「ブロガーの多くは新聞のニュースをネタに好き勝手書いている。まるでサメや鯨に張り付いておこぼれをもらっているコバンザメのようだ。新聞がニュースを書かなくなったらブロガーは自ら取材してニュースを書くようになるか?」

ニューヨーク・マガジンのコラムニスト カート・アンダーセン


※恐ろしや・・・。でもブログの社会的意義を考える上では面白い議題かも。


■鳥インフルエンザ
新しい取り組みとして特定の時事の話題をニュースが発生した時点ですぐに記事にして配信するサービスを行っている。まずは鳥インフルエンザで行っているが好評。


※ハリケーンなどでもいいかもですね。情報が溢れかえる分、信頼できるソースが正確な情報をまとめて出してくれると言うのはいいかも。


■今後の取り組み

1. 検索とコミュニティ機能の充実
2. AJAXベースのツールや製品機能向上

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全体の話を上に書いてあるように40分位で一気にしてくれた感じです。今後の取り組みをもっと聞きたかったですね。AJAXなんて意外な感じもしますが、ウォールストリートジャーナル・オンラインとか有料購読するとかなりパーソナライズドできるようになっていますし、もう1つ人気のマーケットウォッチと言う株・投資関係のニュースサイトもありますし、色々使える部分はあるでしょうね。


しかし最大手だけあってか?About.comを買収したりブロガー・ブログコンテンツと積極的に連携をはかろうとしているニューヨークタイムズなどに比べると王道的な攻め方ですよね。Web2.0もあったもんじゃないと言うか・・・ただ収益モデル・製品の多様化を促進していることに表れているように、多様化する消費者ニーズに答える形でビジネス・マーケティングを展開しているのは間違いないようですね。


良質なコンテンツを生成する媒体・機能を持っており、既に強いブランドと読者に支えられている言う事実を元に、いかに市場の変化に対応しつつ確実にビジネスを拡大していくか、と言う部分で勝負していますね。見た目派手な取り組みをしていなさそうと言ってもオンライン新聞の購読者数も圧倒的なわけですし・・・。


それにしても「ブロガーはコバンザメ?」のコラムを例に出すのは中々勇気がいることだと思うのですが、まだまだブロガーは相手にしていない?感も少しありますかね。まぁ、Syndicateはビジネス・企業向けのイベント的な側面も強いですし。


いずれにしてもアメリカを代表する大手新聞社がウェブでどんな取り組みをしているのかと言うことで分かって良かったです。

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