2005年06月09日 10:32

RSS経由のトラフィックはなぜ優良なトラフィックか?(3)企業サイトのケースを考える

前回からの続きです。

さて、今回は上記のような仮説が有効だったとして、その考え方のもとに企業サイトはどのようなトラフィック誘導施策を検討すべきか?という点を考えてみます。

□SEOベースのトラフィックに向く情報は?
まず、SEOベースのトラフィックで、ニーズのズレがないケースとはどんな場合でしょうか?

前回からの話の流れで言うと、SEOベースのトラフィックはキーワードに紐付いてサイトに来訪するので、情報がキーワード単体に集約されるようなもの、例えばユーザーが「ある商品の基礎情報(スペックや説明、価格、購入方法等)を知りたい」というニーズで「商品名」をキーに検索し、訪れたページがそのメーカーの「商品説明のページ」、もしくはその商品を販売しているECサイトの「商品購入ページ」に来訪する、こういったケースは、ニーズと来訪ページのズレはほとんどないと思われます。

他にもいろいろ考えられそうですが、とりあえず代表的なケースとして、その企業が中心的に扱う「商品、サービス、ジャンル名、カテゴリー名」などに対応するページとして「商品詳細」「サービス詳細」「購入方法(およびEC)」あたりに誘導するというのがSEOベースのトラフィックに適した流れといえます。

ただ、一般的にこのケースは、トラフィックのロングテール部分というよりは、むしろ「頭」の部分であることのほうが多いでしょうね。「商品名」でロングテールが構成されるのは、多品種、多品目を取り扱うECサイトなどの場合でしょうか。

□RSSを起点とするトラフィックに向く情報は?
では、一方のRSSベースのトラフィックに向く情報とはどんな情報でしょうか?
前回、RSS起点のトラフィックはコンテキストベースで来訪する、と書きました。
ということは、そのコンテキストに「価値がある」「読みたい」と思わせる何か、がないと伝播していきませんし、その伝播先からユーザーがサイトを来訪することもない、と考えられます。

実際、ソーシャルブックマークやブログでの言及から、このサイトへの来訪の様子を見ていると、コンテキストの質(とか言及しやすさ、とか興味関心分野との一致とか)でその情報の伝播の具合、伝播先からの来訪具合が大きく変わってきています。

では、そんな伝播性のあるコンテンツを企業が出し続けることは果たして可能なのでしょうか??
今ハヤリの「ビジネスブログ」が、そうした試みのひとつですよね。ただ、実際運営される側の話を伺うと、いろんな問題(ネガティブなコメントやTBに対する対応策が見えない、とか運用が煩雑になるとか・・)があって大企業ほどなかなか導入へのハードルは高いみたいです。
また、ユーザーの側からしてみると、企業の運用するプラットフォームから出されたコンテキストは、それをそのまま素直に受け取れないというか、ある種の不自由さを感じてしまうのが正直なところです。

それならば、企業は無理やりコンテキストを作ろうとせず、事実のみを発信することに専念し、むしろコンテキストを生み出しやすい「余地」を作ることを考えたほうがいいと思います。その上で、コンテキストはいわゆる「プロシューマー」「ブロガー」に作ってもらい、流通させてもらう。そんな形が理想的なのではないでしょうか?

図にするとこんな感じです。

0608_1_s.gif


なぜ、僕がこんなこと考えに至ったかというと、

はてながこだわるWebサービス提供の本音(CNET)

Ubiquity in the Internet Age(Jeremy Zawodny'blog)

Rules for Remixing(O'Relly Emerging Technology Conference)

なんかを読んで、はてなの開発の考え方、あと、amazon,Flickrなんかのサービス開発の戦略と、今のRSSベースの情報流通の考え方は非常に近いものがあるのではないか、と思うようになったのです。
Tim O'Reillyによると、「リミックス」というのがひとつのキーワードだということですが、要は、サービスでも情報でも、企業は感度の高いユーザーにリミックスできる余地を与えれば、彼らはそれを喜んでリミックスする。
そして、自分が関与したものは当然愛着がわくし、人に紹介したくなるから、人に紹介する。また、そこに新しいアイディアが加わるから、別バージョンとしてリリースされ、さらなる広がりをもたらす。。。

つまり、「オープンであること」「つながることができる余地を与えること」「コントロールをユーザーの側に任せること」また「余地を使って新たなストーリーを生み出した人に還元される仕組みになっていること」を設計しておくことが、サービスそのものにも、また提供する情報にも必要で、そういった考え方の枠組みが、実は次世代のマーケティングのキーになるのではないか、というイメージにたどり着きました。

□ちょっとまとめ
一旦まとめます。言いたかったことはこういう事でした。

・サイトアクセスの傾向を見ると、SEOベースの情報とSMOベースの情報があり、企業はそれぞれの特性を理解して導線を考えるべき。

・RSS起点の情報伝播モデルは、自分で全部コントロールしようとせずにプロシューマーにお任せすべき。

・サービスも情報もリミックスできる余地を予め設計しておくべき。

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